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経堂で缶詰メーカー6社の交流イベント こども食堂に缶詰を寄付

経堂で缶詰メーカー6社の交流イベント こども食堂に缶詰を寄付

缶詰博士・黒川勇人さんと各メーカー担当者、その他参加者の集合写真

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 本紙論説主缶(幹)の缶詰博士・黒川勇人が主催するイベント「缶謝祭」が12月11日、経堂駅北口の「さばのゆ」(世田谷区経堂2)で行われた。缶詰メーカー、製缶メーカー、メディア関係者、一般の缶詰ファンが集まり、業界内やファンとの交流、缶詰情報の発信をテーマとする同イベントは、2回目。

イベントで提供されたメーカー5社の缶詰と高知の柑橘

 イベントに参加した缶詰メーカーは、木の屋石巻水産(石巻市)極洋(港区)、ホテイフーズコーポレーション(静岡市)、マルハニチロ(江東区)、明治屋(中央区)の5社。製缶メーカーは、北海製罐1社。

 当日は宮城県石巻市の木の屋石巻水産が今シーズン初の「金華さば水煮缶」と「金華さば味噌煮缶」試食用を持参。その他、「長須鯨須の子大和煮」「くじらの和ヒージョ」「鯨のすじ煮」「くじらとら~油が出会ったから」などの缶詰とクジラの希少部位・鹿の子の刺し身、ウネスのベーコンを振る舞った。

 同社は2011年に起きた東日本大震災の津波により壊滅的被害を受けたが、世田谷区経堂をはじめ全国の支援を受け2年後に工場再建。62年前にクジラ肉の販売から創業した伝統を守りながらサバや小女子、イサダなど、石巻港に揚がる水産物の加工販売により復興した。

 木の屋の営業担当・鈴木誠さんは「冷凍・冷蔵技術が発達した今の時代は全く臭みのないクジラを食べられる時代。加工の技術やアイデアも進化しているのでユニークな缶詰が生まれている。例えば『くじらの和ヒージョ』はオリーブ油のアヒージョに厚切りのカツオ節、シイタケなどを加えた和風だし風味。若い人たちにも食べられている」と話す。

 その他メーカーの缶詰の試食では、「いわしのトマトパッツァ」「焼きさばみぞれ煮」「焼きいわし大根おろし入り」「燻製風味 鰯(いわし)オイル漬」(以上、極洋)、「からあげ和風醤油(しょうゆ)味」(ホテイフーズ)、「さばのカレー煮」(マルハニチロ)、「おいしい缶詰 国産帆立のバターソース」「M-Yジャム 復刻版」(以上、明治屋)が開けられた。

 缶詰業界外からは、浅草の老舗パン店「ペリカン」4代目・渡辺陸さんが焼きたての食パンを持って参加。薄切りの食パンを会場に配ると、参加者は缶詰を具材とするオープンサンドや1911(明治44)年に販売が始まった「M-Yジャム 復刻版」のジャムサンドを作り、思い思いに楽しんだ。

 黒川さんは「今回も缶詰メーカーの担当同士の話が盛り上がり、それぞれが良い刺激を受けていた。一般のユーザーの感想が直接聞けるのも参考になったようだ。さばのゆ店内にあった高知産のかんきつ果汁をホテイの唐揚げ缶に絞り入れる人もいたが、爽やかなおいしい食べ方で缶動した。缶詰と食パンなど新しいコラボも生まれ有意義だった」と振り返る。

 同イベントは今後シリーズ化が決定。提供された缶詰は近隣のこども食堂に寄付された。