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缶詰コラム2018-11-06

缶詰博士のシリーズ連載「缶詰郷土料理」 第2回「サケ缶のちゃんちゃん焼き~北海道地方~」

 地方を旅すると、缶詰を使った郷土料理と出合うことがあります。本紙論説主幹(缶)・黒川勇人が、各地の暮らしや風土と密接に結び付いた缶詰料理を紹介するシリーズ連載「缶詰郷土料理」。第2回は、北海道地方の「サケ缶のちゃんちゃん焼き~北海道地方~」を紹介します。

 皆さん缶にちは!缶詰博士の黒川です。本日ご紹介するのは「マルハニチロ」の「あけぼのさけ」缶を使った郷土料理。北海道地方の「サケ缶のちゃんちゃん焼き」です。

 北海道を代表する秋の味覚の一つがサケ。川でふ化した後、わずか数センチのサイズで海へ下り、数千キロもの旅を経て生まれた川へ戻ってくるという、生命力にあふれた神秘の魚です。産卵のために遡上(そじょう)するシロサケを河口付近で漁獲するのですが、その半身を玉ネギやキャベツなどと一緒にみそダレで焼いて食べるのがサケのちゃんちゃん焼きです。アウトドアで食べることも多く、「お父ちゃんが焼いてつくる」ことから「ちゃんちゃん」焼きという名になったともいわれています。

 そんなサケのちゃんちゃん焼きは、農林水産省が主催する「農山漁村の郷土料理百選」で、「ジンギスカン」「石狩鍋」とともに北海道を代表する料理として選ばれています。大きなシロサケの身をみんなで焼いて食べるイメージが強いですが、1人~2人で食べるにはちょっとハードルが高いのも事実。そこで登場するのがサケ缶なのです。実際に北海道では、9月~10月ごろになるとマルハニチロの「あけぼのさけ」缶の売り上げが通常月の約1,5倍になるそうです。そしてこの時期は新玉ネギが出回る季節。甘くてジューシーな新玉ねぎとサケ缶を使って、食べきりサイズのちゃんちゃん焼きをつくるというわけです。

 ちなみに「あけぼのさけ」の原料はカラフトマスという種類で、春先に北海道東沖で漁獲したもの。その時期がカラフトマスの旬で、脂がのって最もおいしいのです。春に旬を迎えた魚を秋に食べられるのも、缶詰ならではの利点ですね。

レシピはこちら
・あけぼのさけ(90グラム) / 1缶
・玉ネギ(スライス) / 大玉の1/4
・キャベツ(ざく切り) / 50g
※玉ネギとキャベツはカット野菜でもOK

(調味料)
・みそ / 大さじ1
・砂糖 / 小さじ1
・酒 / 小さじ1
・バター / 10g

1. 小鍋にバター半量、玉ねぎ、キャベツを入れて炒める。缶汁にみそ、砂糖、酒を混ぜておく
2. 野菜がしんなりしたら上にサケを並べ、味付けした缶汁を掛けてフタをし弱火で30秒煮る
3. 最後にバターをのせれば缶成

 ほぐしたサケの身と野菜を口に放り込むと、ほくほくしたサケとシャキシャキした野菜の味わいを同時に楽しめる。飲み込んだ後も、溶けゆくバターと味噌の香りが鼻腔に広がり余韻も口福。瞳を閉じると北海道の雄大な自然に包まれているような気分になります。

 あけぼのさけ(90グラム) 実勢価格300円