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コラーゲンプロテイン入りのサバ缶 信田缶詰が発売

コラーゲンプロテイン入りのサバ缶 信田缶詰が発売

信田缶詰 佐藤さん

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 信田缶詰(千葉県銚子市)が4月、コラーゲンプロテイン入りのサバ缶、「THE PROTEIN SABA 水煮」を発売した。

筋トレにもぴったり。

 創業およそ120年の同社は、銚子の海産物を生かした商品開発を手がける老舗缶詰会社。サバ缶ブームに沸いた2019年のピークには青魚缶詰市場が370億円あまりだったのが、現在は消費層の高齢化もあり300億円程度になっている中、若年層の取り込みが必要と感じていた。千葉県立銚子商業高校が取り組む地域連携事業「銚商夢市場プロジェクト」の一環で、生徒から、アスリートや若者にもなじみやすく、抵抗なく手に取ってもらうため、サバ缶が高栄養・高タンパク質であることをアピールする新商品の開発を提案された。

 発案した生徒は、高校2年時にジュニア全日本自動車競技選手権ロードレースに出場、U17部で優勝を飾り、世界大会の日本代表として活躍し、現在は大学に進学し自動車競技部で活動中。アスリート活動の中で缶を開けてすぐ食べられる便利さや、筋肉以外にも体にいい影響を与える成分が豊富なことから、栄養補給にサバ缶を愛用していた。「こんなにも栄養価が高く素晴らしい食品なのに、魚の缶詰は中高年層が食べるというイメージがあり、若者にはなじみがない」と常々感じていたという。

 同プロジェクトは、地域活性化を目的とした「課題研究」の授業。その授業の中で、地元の缶詰会社が作るサバ缶が、もっと若者も含め、健康志向の人々、アスリートなどに広がっていくためには、パッケージを変更し、スポーツ売り場に置いてあっても違和感がなく、また、SNS等で拡散されるようなものが必要だと考え、自らデザインの素案を作り、同社に持ち込んだ。

 同校OBが勤めているという縁から、武内製薬(東京都品川区)にも協力を依頼。同社が製造販売するプロテインのパッケージを参考に、自身の考えたパッケージをブラッシュアップ。いくつかのプロテイン原料を提供してもらう中で、水溶性の高さとサバとの風味の調和から、コラーゲンプロテインを選択し原材料に含めることで、通常のサバ缶よりも多い1缶当たり30グラム以上のタンパク質が取れるサバ缶が完成した。

 信田缶詰生産管理部の小林俊之さんは「当社で30年ちかくのロングセラーであるサバカレー缶のサバは、実はカレーの味わいに負けずにサバの風味を出すために、一つ一つ揚げたものを使っている。市場にたくさんのサバ缶がある中で、いかに差別化を図っていけるかは常々意識しているポイント。今回銚子商業高校からの提案は、サバ缶の本質を捉えた上で、我々だけではできなかった思い切った商品になっている」という。

 本紙論説主缶・黒川勇人は「一般的な水煮と味も香りも同じなので食べやすい。製薬会社の成分を配合している安心感もある」と話す。

 総量は150グラムで、価格は432円。地元のスーパーやJR新橋駅の缶詰専門店「カンダフル」などで取り扱いを始め、全国へ販路を広げる。

 商品販売を記念して、5月11日土曜日12時30分から15時に、カンダフルにて、同校生徒による試食販売会を予定している。