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宮城県の飲食店、小規模工場ならではの缶詰作りで地域を元気に

写真を拡大宮城県の飲食店、小規模工場ならではの缶詰作りで地域を元気に

 「veeell(ヴィール)」(宮城県角田市)が小規模工場ならではの缶詰作りで、農業生産者や飲食店との取り組みを通じて地域活性化を図っている。 限定販売はこちら全文を読む  
 2019年の台風被害で同社が経営する飲食店が半壊し、その立て直しの中で「地域をおいてきぼりに自分たちだけが回復してもその先が全くない」という教訓を得、東日本大震災の時の経験も生かし、地域資源を活用した缶詰作りを始めた。社長の小林光輝さんが地域資源の活用を考えた際、缶詰が一番に浮かんだという。「缶詰は、もちろん防災にも活用できるが、何よりも料理人が作った付加価値の高いものの時間を止めることができる(賞味期限が長い)ところに魅力を感じた。缶詰を使って、地域として、一緒に育っていく。そういう意識でモノづくりを続ける」と小林さん。

 同社がこの冬に発売した缶詰新商品「トリッパのトマト煮込み」は、同社の飲食店で客からのリクエストが多かった商品。地元の産品を使う。限定349缶のみの製造で、ほぼ全量が実店舗の客のみで売り切れてしまうという。単価は1,180円と高価だが、少量を作る手間暇を考えると商売としての効率は非常に悪いという。

 「クラフト(手作り)缶詰の特徴である『レストランクオリティー』の料理の缶詰ということを徹底している。こういう風に作ることで、自分たちの地域の産品が付加価値が高く販売されるという点を、地域の人たちに分かってほしい。小さいものの掛け算、ミニマム同士の掛け合わせ。こうやって他の人たちも巻き込んでいくことが、地域として育っていくということ」と小林さん。

 最近では他の地域からの製造依頼などもあるというが、その度に、その地域に貢献できるのかどうかを依頼者ともしっかりと議論し、考えるという。

 今後は農業生産者との連携で、商品の販路開拓や売り方の改善などに取り組んでいくという。

 小規模なクラフト缶詰の意義について、本紙論説主缶・黒川勇人は「同社の商品は下ごしらえや調理に手間をかけて価値を上げ、少量生産でも高価格を維持している。今後、缶詰を事業化しようと考えている企業の手本にもなるはず」と話す。

 内容総量は105gで、価格は1,180円。同社オンラインストアで販売。

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