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子ども向けタイムカプセル「タイム缶詰」作り 宮城の缶詰工場で人気に

写真を拡大子ども向けタイムカプセル「タイム缶詰」作り 宮城の缶詰工場で人気に

 宮城県にある缶詰工場で、小中学生を対象とした缶詰作りが話題を集めている。作るのは食材が詰まった通常の缶詰ではなく、未来の自分に渡したい物を詰めるタイムカプセル。いわば「タイム缶詰」だ。 缶詰製造の現場を見学する小学生たち 全文を読む  このユニークな取り組みを実施しているのは、木の屋石巻水産の美里町工場(宮城県美里町)。参加する子どもは、缶に入るサイズの物を持参するのが決まり。同社スタッフの指導を受けながら用意された空の缶詰に物を詰め、外側に好きな絵やデザインを描いて自分だけの缶詰を完成させる。

 缶詰の底には製造日が記載されるため、時がたつと小さなタイムカプセルとなる。

 大人になった未来の自分を応援する手紙を詰める子どもが多く、「お父さんをついで漁師になったぼくへ!」という男子児童、「育児がんばってね!」と子育てに忙しい自分を応援する女子児童、「目指せ!ワールドカップ!」(以上、原文ママ)と、サッカー選手の自分にエールを送る男子生徒など、さまざまなドラマがある。

 同社は2011年3月、東日本大震災の津波で社屋と工場が壊滅。工場跡地に埋もれた缶詰を拾い集め、東京に運び、洗って売る活動をきっかけに復興した経緯のある会社。当時、洗った缶詰は「きぼうの缶詰」と呼ばれ、テレビやラジオ、新聞、雑誌などで繰り返し大きく報じられた。学校の工場見学の一環として行われる「タイム缶詰」作りは参加無料だが、そこには同社の思いも込められている。

 木村優哉社長は「弊社は全国の皆さまの応援を受けて、震災後の壊滅的な状況から立ち直ることができた。今度は弊社が全国の皆さまに希望を届ける番。この『タイム缶詰』作りを通じて、子どもたちが未来に希望を感じることができるとうれしい」と話す。

 同工場は、日本三景の一つとして知られる有名観光地・松島から車で約20分の場所にある。大型バス対応の駐車場も備え、缶詰や鯨肉をアウトレット販売する売店や休憩スペースもあり、大人も楽しめるスポットとなっている。工場見学と「タイム缶詰」作りは事前予約制。

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