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陸前高田のタイム缶詰が新商品「ニシン」シリーズ発売

写真を拡大陸前高田のタイム缶詰が新商品「ニシン」シリーズ発売

 タイム缶詰(岩手県陸前高田市)が1月、北海道ニシンを使った缶詰を発売した。 タイム缶詰のニシン缶シリーズ全文を読む  同社は、環境ホルモンの問題に配慮した缶詰の製造や添加物を極力使わない方針など、創業時から「体と環境に配慮した」缶詰作りを行っている。陸前髙田市でニシンの白子から薬品・健康食品などを作る会社から、白子を取った後の魚肉が魚の餌になっている話を聞いた同社・吉田和生社長が「缶詰にしたら骨も気にせずおいしく食べられるのでは」と考え試作。関係者の試食でも「身がホロホロとしておいしい」という意見が多く、ニシンのアップサイクル缶としての商品化を決断。

 しかし、リサーチした結果、ニシンを食べる習慣がほとんどなくなっていると判断。水煮や煮付けだけだと一般消費者は手に取らないと考え、シリーズとして、そのまま使っても、パスタでも、利用シーンの想像ができる洋風缶詰を考案。社内スタッフが、親しみやすいパッケージをデザインした。

 2011年3月の東日本大震災で工場が全壊し、避難生活を続けながら工場を移転。同年10月に再開にこぎ着けた際の経験から、「災害時に生きるためのものは支給されても、楽しむ、『ああ、おいしい』と感じられるものはなかなか配られなかった。その経験から、今回の洋風缶詰に加え、今後はリゾットやフルーツ缶など、広く開発していきたい」と吉田社長は意気込む。

 同社では、大規模工場ではない特性を生かして、地元の農業生産者などとの提携でオリジナル缶詰の開発も進めている。

本紙論説主缶の黒川勇人は「ニシンらしい繊細な身肉が味わえる。切り身が大きくボリューミーで、温野菜を加えるだけで一品料理になる」と話す。

内容総量は180グラムで、価格は、水煮=346円、煮つけ・トマト煮=356円、アヒージョ=400円。

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